どせいたんさき。

ナスダヨー

CCD の性能評価(読み出しノイズ編) その3

上記エントリの続き.いい加減完結させる!

測定したカウント値のグラフ

前回のエントリで述べたデータ処理をおこなって得たそれぞれのカウント値と積分時間との関係を表したグラフ.時間軸はリニアでカウント数の軸は logscale でとってある.もし,電子の入射が完全に Poisson 過程であるのなら分散と正味のカウント値が一致するはずだが,積分時間が短い領域=カウント数が少ない領域で値がはっきりとずれていることが確認できる.


図1.積分時間と正味カウント値,標準偏差,分散

カウント数-標準偏差の関係

この値を利用して正味カウント数と標準偏差のプロットをつくる.横軸は正味カウント数,縦軸は標準偏差,どちらも logscale で目盛りを振ってある.また,同じグラフ上に gnuplot によるフィッティングでパラメタを求めた理論式を重ねてある.


図2.正味カウント数と標準偏差のプロット,および近似曲線



表1.フィッティングで求めたパラメタ

residuals 4.42668

f(N)=\sqrt{aN+b}

parameter final set standard err
a 1.05561 +/- 0.00697
b 177.272 +/- 4.628

これより,コンバージョンファクタと読み出しノイズの値は次のようになる.
f=0.947\pm 0.006~[{\mathrm e^-/ADU}], \kappa=12.61\pm 0.01[{\mathrm e^-r.m.s.}]


コンバージョンファクタはほぼ 1 という結果. Mhara さん曰く「はじめからその程度の値になるように調整されていたのではないか」とのこと.読み出しノイズはピクセルあたり約 13 個とかなり少ない値だった.システムの限界等級が少し上がるのではないかという予想.

オフセットの急激な変動

コンバージョンファクタと読み出しノイズの測定は問題なかったのだが,取得されるデータにもともと乗っかっているオフセットカウントが積分時間によって大きく変動するという現象が観察された.時間依存性はあるもののばらつきはほとんどなかったのでちゃんとダークフレームをとればこの効果は除去できるのだが,なぜこんな変動を見せるのかがよくわからないのでなんとも気持ち悪くはある.


図3.よくわからないオフセットカウントの変動



と,いうわけで CCD カメラの評価はとりあえずおしまい.