どせいたんさき。

ナスダヨー

proas のインストールメモ

天体観測の計画(ぷろぽーざる)を立てるときのお話.
観測計画を立てるときには大雑把に言って,

  1. 自分が研究したい題材にふさわしい天体を選び,
  2. 必要なデータをとるためにはどんな観測が必要かを考え,
  3. そのデータをとるための装置が備わっている天文台を探して,
  4. 天文台に観測計画を応募する

という流れがあるのだけど,天文台の場所や観測の時期によっては目的の天体が見えたり見えなかったりするので,観測計画を応募するときにはあらかじめそれを調べておく必要がある.僕はあまり詳しくないのだけど,たいていの天文台にはそのための設備が整っているらしい.たとえばすばる望遠鏡なんかだと Target visibility というページで自分が観測したい天体がどの時間にどの程度の高度にあるかを計算することができる.

だけど,必ずしもネットが使える環境にいるとも限らないしさっきのサイトはマウナケア以外の場所の結果がなんだか間違っている(?)ようなので,id:yoshiyuki_kitne さんに教えていただいた proAS というソフトを導入してみた.

ダウンロード

proas のホームページは上記リンクなのだけど,最新版はそこではなくてページ下部のリンクから飛べる Proas というところにある.そこで stable 版をダウンロード.

インストール

適当なディレクトリに tar.gz ファイルを展開.基本的にマニュアル通りに...と思ったらマニュアルがだいぶ古いらしい.基本的に ./configure && make && make install で大丈夫なのだけど細かな注意点を以下にまとめておく.

必要なパッケージ

ビルド環境はひととおり整っているとして,特別必要なのは次の2つ.

  • pgplot
  • fortran77

Ubuntu 9.10 ではそれぞれ pgplot5, fort77 というパッケージで配布されているのでダウンロード.

sudo apt-get install pgplot5 fort77

f77 じゃなくて gfortranコンパイルすると出力が乱れてしまう.

天文台の追加

最初からプログラムに含まれている天文台は以下のとおり.

 (1) CALAR ALTO    
 (2) EL TEIDE      
 (3) MADRID        
 (4) LA PALMA      
 (5) SAN PEDRO     
 (6) LICK          
 (7) LA SILLA      
 (8) PARANAL       
 (9) MAUNA KEA     
(10) McDonald      
(11) KPNO          
(12) LLAND DEL HATO
(13) CERRO TOLOLO
(12) LLAND DEL HATO
(13) CERRO TOLOLO

自分が使いたい天文台はここに含まれていなかったのでプログラムを改造する.ソースは解答したディレクトリにある src というファイル.天文台のデータはその中にある observat.f というファイル.

改訂する場所は次のとおり,

  1. PARAMETER(NOBS=13) の 13 の部分が天文台の数.増やした場合はそれに合わせる.
  2. DATA OBSER/... から始まる部分は天文台の名前のリスト.増やしたい天文台の名前を加える.
  3. NOPC=READI('4') この 4 は天文台のデフォルトの選択肢.自分が一番使うものに変える.
  4. 最後に天文台のデータを書き加える.ELSE IF(NOPC.EQ.1)THEN から始まる部分が天文台のデータなのでプリセットのデータに合わせてそれぞれ書き加える.具体的には次のとおり,
      ELSEIF(NOPC.EQ.#)THEN    // # の部分には名前リストの順番が入る
C OBSERVATORY NAME           // コメント.天文台の名前を入れる.
        LAT=28.1732                      // latitude
        LONG=-16.2945                  // longitude
        ALTOBS=2400.                   // elevation

細かな設定は以上で終了.自分が編集した observat.f のパッチファイルは Good night, Posterous に置いてある.

make & インストール

ということでインストール.とくに設定しなければならない部分はなかった.

./configure
make
sudo make install

つかいかた

対話式なので proas で起動した後は指示にしたがって記入していけば ok .天体の座標は手元から入力してもいいし,

name1, RA1, Dec1
name2, RA2, Dec2
...

という形式で保存したファイルを読み込むこともできる(※RA, Dec のフォーマットが特殊なので注意).詳しくはマニュアルを.

最終的に下のような画像が出力される*1(天体の座標はサンプルファイルを使用).天体のカタログでの座標と観測時の座標,最大高度と天頂に達する時間(UT)がグラフとともに出力される.画面に表示する以外にも ps ファイルに保存することも可能.ただし保存するファイル名は pgplot.ps に固定されてしまうことに注意.


そんなこんなでインストール完了.月の位置が出ないのがちょっと残念?でもかなり便利なソフトだと思う.

*1:これは詳細表示.もっと簡単な表示もできる.